「で、お前って22歳のそのゴミ屋敷に就職した時って貯金いくらあったんだよ?」
いつの間にかペコラのキラキラベンチャー企業で働く女から
ゴミ屋敷で奴隷生活にハクイに烙印を押されたペコラ
ペコラの22歳っていったい…
「貯金?割と持ってたよ、最初の頃は学生の時にバイトしてたお金もあったし…」
「…最初ってなんだ?」
「えっとねぇ~月に3万円のお給料は貰ってたんだけど、1年目は12か月あったうち5回もらっただけでね?実家にはあんまり帰らなかったんだけど、月に1万円づつお金を入れようと思って」
「お前、それだけで年間の稼ぎの90%以上吹っ飛んでるぞ」
「そうなのよ!で、最初のうちは大学生の間にアルバイトしてたお金が40万円くらい残ってたから、それを切り崩して生きてました」
「…すさまじいな」
「いや~でもあんまりお金かからなくてね?社宅に住んでたわけだし」
「あぁ、押入れ生活な」
「しゃ・た・く!それに、家事するってことで、みんなのご飯作る代わりに食費も月に3万円もらえてね?」
「おう、じゃあその残った分をお前の給料に追加してたっつうわけか?」
「いやぁ~~~、なるべく安いお店を探してたんだけど、ペコラの分も入れて、基本4人から最大で7人分のご飯作ることもあってさ、賞味期限間近の食材って言っても、生鮮食品はないわけで、あ、お肉とかは冷凍のイベリコ豚様とかあったんだけどね?」
「イベリコ豚いいじゃん」
「ふふん、で、いや~~そういう食材使えるとなると張り切ってしまうわけで。朝、昼、晩と基本少なくても社長はいるから朝は2人~最大で5人、お昼は4人~最大7人、夜は基本4人くらいなわけで」
「…なんか給食のおばちゃんみたいだな」
「いやいやいや、給食のおばちゃんはもっと作ってるよ!それで、まぁ…喜んでもらえると、張り切ってしまいまして…ちょっと食費が足りなくてね?」
「…貰えばいいじゃん」
「いや、やりくりできないわけだし、これはもしかしてペコラノルマか?!とか思って、足りない分は自分の貯金からちょっとづつ…」
「タダ働きな上、金出す奴隷かよ」
「いやいやいやいや?!そんなにたくさんは使ってないんだけどね?!とまぁ…そんな感じでした」
「お前のコンタクト代、1年で6万くらい必要だったんだよなぁ?」
「うん、そうだね」
「実家に12万円、コンタクトに6万円…お前、それだけで3万円の赤字じゃん」
「数字だけで見るとそうだね」
「…何で見たら黒字なんだよ」
「脳で思い出だけ見ると、そこにはもうマイナスな要素なんて何もないのだよ」
「現実見ろ。で、お前携帯持ってたよな?」
「うん、今はね~オットーのおかげで、なんか一か月に700円くらいっていう超スーパーデフレがきててさ」
「おう、それは分かった。で、お前は当時いくら毎月はらってたんだよ」
「…5000円~6000円くらいかな」
「追加の赤字が6万円超で、合計9万円の赤字か、まぁ髪切ったり、服買ったりもするわな」
「服はセイソ先輩とか美魔女社長がくれたの着てたよ?」
「…お前、オットーと付き合ってたよな?そん時ってデート代あいつ出せねぇだろ」
「え、だから前にお弁当持って、デートしてるって言ったでしょ?」
「あぁ、意味不明なデートな、雨の日中止って運動会かよって話だよな」
「確か1年くらいで40万円くらいあった貯金は22万円くらいになったんだよね」
「お前よく覚えてるな」
「あぁ、このままだと今年、貯金の方が若いなって」
「は?」
「いや、だから、今年でペコラは23歳になるけど、貯金は22歳かぁ~若いね、君、みたいな感じで通帳見ながらついくすっと笑った記憶が…」
「…お前、その能天気すぎる思考どうにかしろよ」
「能天気なんじゃなくて、それくらいその生活が楽しかったんだよ」
「…なんかスゲーな、そこまでいくと」
「ありがと」
「褒めてねぇ」
そんなこんなでペコラの貯金は1年で約15万円減っていた模様です
「金持ってくる奴隷だよな、マジでそれ」
「違うって!キラキラベンチャー生活とおっしゃいっ!」