「で、長くなる話ってなんだよ」
何でペコラが、毎月3万円(年に5回しか出なかった)から、夫を養い
子どもを養うまでに成長したか
それは
「えーっと、レババッジを手に入れたんだよ」
「…なんだそれ?」
「いや、本当に運用とか投資とか言われても意味不明でね?株とか言われても、どうぶつの森でカブを買ったりするくらいの知識程度なわけで」
「どうぶつの森?運用ゲームなわけ?珍しいな」
「いや、そうでなくてのほほんライフなんだけど、借金を返していくっていう」
「…それのどこがのほほんなんだよ」
「世界観及びキャラクターかな、で、オットーになんかそういう株とか当時はやってたと思われるFXができる口座を作ってもらったんだよ」
「あぁ、言ってたな」
「最初のページから意味不明でさ」
「…何をどうしたら意味不明になんだよって、あぁ、日本の証券口座じゃなかったってこと?当時ならあれか中華系?」
「いやごめん、オットーのレベル上げないで。日本、日本語の日本の証券口座だよ」
「じゃあ日本語書いてあんじゃん」
「いや、その単語の意味が分からないっていうか」
「何で?」
「いや、あんたはどうか知らないけど、その時まで日経平均とか言う言葉もあんまり知らないって言うか、聞いたこともほぼなくて」
「……お前、大学出たんだよな?」
「うん」
「……一般教養受けたよな?」
「うん」
「中高行ってたよな?卒業したんだよな?」
「そうだね」
「何でそれでお前は
日経平均知らねーんだ」
「たぶんそれって、社会だよね?」
「…その次元かよ」
「いやぁ~~~~~なんか先生がむか~~~~しそんな言葉を言ってた気はするんだけど、よく意味が分からなかったというか、それに受験でも出なかったと思うし、大学の授業でも経済学部とかの人とかなら分からないけどそんな『日経平均が~~』なんて言わなくない?」
「……新聞読まねーの?」
「やだ、そんな優等生に見える?えへ」
「……大卒って本気で無駄な奴いんだな」
「スイマセン」
「で、日経平均も分からねーお前がどうしたんだよ」
「いや、だからもう株とか言われても本当に意味不明でね?!どうぶつの森みたいにカブのイラストとかがあったら分かりやすいんだけど」
「で?」
「で、意味不明でその時は株とか難しそうだったからこりゃダメだなってなって。そしたら仕事でユーロとかポンドとかドルとかスイスフランとかは見たことあったからね、なんか数字がぽんぽん変わってくんだけど、あ、これなら知ってる~と思って」
「思って?」
「…いや、それまでお金がそんな風に動いてるって知らなかったんだけど」
「は?」
「いや、だってさ?日本に住んでたら100円は100円で100円でしかないでしょ?ある日突然100円で実は110円の買い物ができるようになりますよ~とか、ある日突然、この100円は今日から90円の買い物しかできませんとかないでしょ?!」
「…そりゃ日本でそんなことねーわな」
「だから1ドルが90円で、今1ドルが91円になりました!とか言われても意味不明でさ」
「…マジで?」
「え?うん。何その顔、面白いけど、ここ笑えばいいの?」
「悪ぃ、頭空っぽすぎてなんてフォローすりゃいいかわかんねぇ…」
「空っぽっていやいやいや、結構レシピとか重曹の使い方とかなんて結構覚えて…」
「そこじゃねぇ……で、そんなどうしようもないお前がFXなんてできねーよな、で、結局何したんだよ?」
「いや、何もどうもこうも、オットーに意味を教えてもらってね?お金はそうやって1秒単位で動いてるんだよって」
「あぁ、あいつ経済学部だもんなぁ、っつっても為替なんて中学生の社会レベルだろ」
「ううん、オットーすんごい面白く教えてくれたんだよ」
「へぇ、どんなふうに?」
「そのハクイが今言った為替って…為替ってこんな感じ書くんだね、さっきも思ってたけど」
「………お前……………」
「あぁ、ごめんごめん、どうぶつの森みたいにイラストちっくに可愛いコインとか使って教えてくれたんだよ」
「…イラストで為替」
「そうそう、それで、これならできる!ってなったのよ、確か。だって、株とかってなんかあれでしょ?会社のこと調べたりしないといけないんだよね?」
「…いや、もういいわ、んでどうしたんだよ」
「それでも、そのFXって呼ばれるものに参戦する方法も分からなくて、オットーに最初やり方を教えてもらったの。107万円入れて、ポチポチって感じで」
「へぇ」
「で、やり方が分かったから、もう大丈夫!と思って会社のパソコンを借りてね、ちょうど美魔女社長が出張中でいなかったから、会社のパソコン借りれてさ」
「…なんかセキュリティが心配だけど、それで?」
「いやぁ…その時にレババッジを手に入れたんだよ」
「で、それは何なんだ」
「こんな感じの装備品」
「…なんだこれ」
「レババッジ、装着するとゴールドアップみたいな感じの」
「は?」
「あぁ、ハクイはRPGとかしないよね?あのね、ゲームの世界ではある装備品を装着すると、経験値が何%アップとか、獲得ゴールド2倍とかあるんだよ、ドラクエⅪで言うなれば、なりきんベストみたいな感じの」
「へぇ~ゲームはまぁよく知らねーけど」
「で、そのページにレババッジがあったから装着をしてね」
「…なんだそれ?レババッジなんて聞いたこと……………お前、まさか………ソレ……………
レバレッジか」
「あ、知ってたか。ちっ」
「お前……まさか……レバレッジをお前の脳内RPGに切り替えたのか」
「いや、レバレッジなんて読めないよあんなの、レババッジにしか見えなくて、着けてみたらなんかどーんってお金が増えたみたいで」
「お前……レバレッジって一歩間違ったら
借金じゃん!自殺モンじゃん!つうかお前バカだろ?!
バカだバカだとは思ってたけど、お前本当に
バカだろっ?!」
「い、いやぁ……それはレバレッジってオットーにその数日後教えてもらったよ…あんたみたいな反応で…ははは」
「はははってお前…一体、何倍かけたんだよ」
「400」
「は?」
「いえ、だから400倍で…えっとこんな感じで」
「お……まえ………………生きてるよな」
「えっと、ハイ、お陰様で」
「……400倍って言うと………」
「えっとですね、4億円ほどを意味も分からず数日運用して……」
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?!」
「ごめん、耳に響くから叫ばないで」
「お前っ、いくら何でも元金いくらあっても400倍なんてかけたら、一瞬の一瞬で全額どころか、損失出るだろ?!破滅だろ?!自殺だろ?!自己破産だろ?!」
「いや…そう思ってたらさすがに、ペコラだって手とか震えてたと思うんだけど、なんていうの、頭はこんな感じだったから」
「…………」
「あ、ハクイどしたの、無言なんて。ちょっと怖いよ、怖いよ?へへへ、いや、なんかそういう装備品みたいなのあるんだ~と思って…へへへ、オットーに教えてもらうまで大体6回くらいポチポチ押してたんだけど」
「で、お前は自己破産街道まっしぐらか」
「違うよ、レババッジのおかげで、そこでとんでもない金額になってたんだよ」
「は?」
「えっと…数日の間だったんだけど、107万円が最終的にはどどーんと」
「は?」
「たぶん、5回目の時に1回、飛んでったんだけど、それでも3回目の時にどどーんって儲かってたみたいで、6回目にはこれまたどどーんと見たこともない金額が」
「は?」
「いやぁ~レバレッジとか難しいよね。レババッジにした方がきっとみんな使うと…」
「…………」
「ハクイどしたの?」
「お前、強運だな」
「無知の勝利と言ってくれたまえ」
「お前…さすがに事実知った時もそんな顔してたのかよ」
「ううん、さすがにそれはない」
「オットーは?オットーはどんなだったんだよ?」
「ちょっともう3000文字超えて、腕だるいから、続きはまた今度あんたが来た時でいい?」
「おい、待て」
レババッジの正体は、レバレッジでした
今はできるかできないか知りませんが、当時400倍がたぶん最高だったと思います
わぁ、こんな装備品あるんだ~とのんきに装備していました
昔から、説明書でもなんでもいい加減に読むくせと、一度読んでしまったら、恐らく勝手に脳内で自動処理される頭のようです
そんなこんなで、107万円からペコラの実家を買えるくらい、新築で1戸建てが買えるくらいの資産が増えました
最初のお金はここで、増えました
え?
会社辞めなかったのかって?
楽しいのにやめるわけありません
え?
結婚式にそれなら100万円でも300万円でも払えるだろうって?
うんうん
オットーにも言われました
それでも
ペコラはペコラですので、えーっとですね
引かずに生ぬるい目で見守ってて下さい