ペコラの革命物語~レベル1から始まる打倒タンメーイ王~

10年前の初任給3万円から今に至るまでのレベル上げと日常の記録 Twitter https://twitter.com/pecorafujin

訓練場:こだわりのある女ペコラ

「ペコラ、あんたこだわりとかないの…それ前も着てなかった?」




都会育ち、都会生まれのコニー



ペコラ両親による、娘の大学デビューに向けての準備のアイテムでペコラに関わることになったらしいコニー




ふたを開ければ、ファッションセンスとかいう言葉からは程遠い場所にいるペコラと、なんだかんだで美味しいものを一緒に食べにいってくれたり





都会の美味しいものを持ってきてくれるコニー






その日は世田谷発祥らしいベア型のはちみつ入りのマドレーヌみたいなお菓子と、なんかオシャレな瓶に入ってるものをくれたコニー





そんなコニーがじっと見てるのは、ペコラのカーディガン




「あぁ…これは多分買ったから7年くらい着てるか……」







「7年?!」






ペコラがイタリアに行っていた時に買ったアニオナという名前のお店のカーディガン





コットンとリネンでさらさらした生地で気持ちいい






何度洗っても色落ちもせず




かれこれ7年くらいこの時期になるといつも着ている





「……今どきのお婆ちゃんたちでも服買ってると思うわ」





「買うのも手入れも増えると面倒なんだもん、コニーは今日も雑誌から飛び出した人みたいだね」





「まぁね、今年はジミーチュウのバッグに合わせてコーディネートしたくて」





「…ジミーチュウって靴のお店だよね???」





「もう何年も前からバッグとかも扱ってるわよ、これとか」





「そ、そのイガイガのついてるのは何???」





「スタッズよ、スタッズ、いがいがってあんた…」





「いや、それってデザイナーの人は栗からインスピレーションを受けたのかな?」




「…まぁ、このデザインこそ数年前からあるものだけど、まぁクリスチャン・ルブタンの靴を今日ははいてきたんだけど」






「あの靴の裏が赤いのだよね」





「最近それの偽物があるくらいの知名度にはなってるわね、で、今日のこのワンピース」




「うんうん、それは分かるよ。えーっと…えーっと…そのロゴはグッチだっけ?」




「…あんた今思いっきり筆記体読んだでしょ」





「うん、普通にGUCCIって書いてて欲しいよソレ」





「パッと見ただけじゃ分らないのがいいんじゃない、それがあたしのこだわり。ロゴでどーんとしていて良いのは、あたしの中では20代前半がギリギリ」




「そういえば、前に言ってたブランディアの君はどうなったの?」




「………







ブランディアの君って何よ」







「前言ってたよ〜ブランディア製品で中古だからどーのこーの」






「…あんたそんな源氏物語風に名前つけないでしょうだい」





「へへへ、もうオットーとペコラの間ではブランディアの君で通じるよ」






「…まぁ、彼にも彼なりのこだわりがあるのねってわかったけど」




「ほうほう」





「エディ・スリマンって知ってるあんた」




「…ロック歌手?」





「違うわよ、ディオールオムの元デザイナー」




「ディオール…オム???あぁ、昔買ったことあるよ、なんか可愛いクマのネックレスが、クリスチャンディオールじゃなくてなぜかその男版から販売されてて」





「…貴金属はよく知らないんだけどねあたしも。なんでも当時はそのエディ期のレザー商品が買えなかったそうなんだけど、今買えるようになったらしいのよね?でもその人のそのデザインの服が着たいみたいで、中古品しかないそうなのよ」




「ほうほう」






「で、まぁ…すごい値段のものもあるのよ」





「といいますと?」





「レザーのジャケットで70万円とか、やたらポケットがついてたわね、あとやたら大きなリボンのついてるシャツとか…しかも金色」




「金色のシャツ?!えっ………」





「あんた今、お笑い芸人とか想像してないでしょうね」





「まさしく」





「まぁ…彼には似合ってたんだけど、こだわりがあるってそういうことよ、そういうこと」





「うーん…あぁ、ペコラにもこだわりあるよ?」






「え」






「ペコラは2日目の味噌汁は







絶対に飲まない」





「………は?」





ペコラの断じて妥協できないこだわり




それはコレ





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「あぁ、でも豚汁は除外ね」





「…何それ」





「ペコラね、お味噌汁は絶対にできたてがいいの。朝作ったものが夜に出てくるくらいはギリギリ、本当は嫌だけどセーフくらいだけど、次の日に持ち越される味噌汁ってのは、もう本当に






ペコラ許せない」







「な、なんでよ?」





「まず、わかめが入っている場合、どろどろになってるし、無駄に大根とかには味が染み込んでるし、お味噌は何度も熱を加えられていることによって風味は飛んでるし、そもそも味が濃いと思わない?そう昔ペコラ母に言ったら、それもそうねって、満面の笑顔でお湯を入れられてさ、それがまた







マズイわけで」





「へ…へぇ…」





「あとお豆腐も、出来上がるほぼ直前くらいに入れるでしょ?絹ごしの場合は、でもそれも何回も何回も熱を入れると、お鍋の中でウルトラ回転してて形が崩れるし、その崩れたお豆腐が最後に味噌汁の汁の中に沈んでるのがこれまたなんとも無情でしょ?」





「…あんた男だったら








相当面倒ね」







「分かってないなぁ〜コニー?こだわりなんて他人から見たら








面倒なものなの!






それでも







譲れないからこだわりって言うの!







朝はできたて味噌汁がいい




ご飯は妥協できる




炊きたてじゃなくても、長谷園のかまどさんで炊いたご飯はそこそこ時間がたってもおいしい




でも







「味噌汁の作りおきは許せない」








「…何で豚汁はいいのよ」




「あれは、むしろ2日目の方が味が馴染むんだよ」




「あんた絶対インスタントとかの味噌汁飲まないでしょ?」




「昔、飛行機の中でミソスープいかがですか的なことを言われて飲んだのと、実家であさげとかいうのはよく出てたよ。今はそうだね







飲まない」






「そ、そうの…」






「大体あれって味噌なのかって話だと思わないコニー?」




「…???味噌でしょ???」





「味噌っぽい色してるけど、香りがないのよ、香りが、ふわぁ〜んっていうあの味噌の香り」




「そういえば、あんた味噌作ってるんだっけ…」




「もちろん、本職さんには負ける風味だけどね。それでも愛情をかけて味噌を育てて自分で作る、もしくはオットーが作る味噌汁は格別なのだよ」





「まぁ…確かにあんたんちの味噌汁は美味しいわね」





「売らないよ?」








「いらないわよ」







「へへへ、まぁお味噌は人の好みがあるから…」






「あたし味噌汁作らないから」














「今なんと?」







「だ、だから味噌汁はインスタントか…そもそも作らないわよ?うちの家のどこにも味噌はないわね」






「………」









「無言で憐れみの目を向けないでちょうだい」








思うに、自分のこだわりはきっと他の人にとったら心底どうでもいいものなんだろう






「今年は塩を変えてみようかな…あぁでも今年の大豆は佐賀県から取り寄せるとして、そうなるとこの塩は……」






そんなペコラのこだわり